- 作者: 北原みのり
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/04/27
- メディア: 単行本
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北原みのり氏による、「週刊朝日」連載の木嶋佳苗の裁判傍聴記をまとめたもの。佳苗の生い立ちや、そのバックグラウンドは余り知らなかったが、逮捕された時は驚いた。その後、何故これほど多数の男性がいともたやすく彼女の手に落ちたのかと言えば、男性を籠絡させるようなセックスのテクニックを持っているのだろうとか、様々な憶測が流れた。
傍聴記自体は、時系列で読みやすく、北原氏の鋭い観察も交えて進んでいく。この事件が他の女の事件と違うのは、佳苗の後ろに「オトコの影」がないことだ。それが大きな特徴と言える。
"ブス"をあざける男たち 佳苗はそんな男達を嘲るように利用した
これはオビのコピーだが、まさに彼女は「そんな男達を嘲るように利用した」のだ。
被害者男性がさらし者になったのも、この事件の特徴である。「女性経験がないから」「オタクでモテないから」「だからあんなブスにひっかかった」とか。加害者が美人でないと、被害者までおとしめられるのか、北原氏は書いている。
改めて感じたのは、意外と冷めているオンナの感覚と、男性が割と「料理が上手で、ちょっとピアノとか芸術的なこともできて、尽くしてくれて、おまけにセックスは積極的」でなおかつ男性の年齢や容姿は気にしない、みたいな女性を求めているのか?ということ。結婚相手に対してはやっぱりオトコのほうが未だコンサバなのだろうか。
オンナは微かに頷くか。オトコは恐怖でのけぞるか(笑)