知的な男は、モテる。「足るを知る」と「向上心」

知的な男は、モテる。―ライフスタイルを磨く57の方法

知的な男は、モテる。―ライフスタイルを磨く57の方法

操体には「間に合ってればいい」という言葉がある。「頑張るな、威張るな、欲張るな、縛るな」という「バルの戒め」もある。たま〜に橋本先生の言葉を都合のいいように解釈しているのではないかと思うことがある。
「間に合っていればいい」というのは、健康の基礎である「息食動想」のバランスが「60点」だったら、まあ及第、間に合っているということだが、操者(操体指導者の力量)が、「間に合っていればいい」では、患者さんに迷惑だ。「私の腕はそこそこ間に合っている程度です」という臨床家には余り診て欲しくないだろう。
50歳過ぎた受講生に指導していたら「橋本先生は『子供はほめると伸びる』と書いてありました」と言われた時は、笑ってしまった。だってアナタ子供じゃないでしょう。
「頑張るな」については他でも書いているので、ここでは書かないが「欲張るな」について「何だかやっぱり捉え方がちがうぞ」という場合がある。

そんな時にこの一節を知った。

「向上心をなくすことは足るを知るということではない」
「向上心」と「足るを知る」とは、相反するような感じがします。
でも、向上心は、満足しながらもさらに上へ上へと考えられることです。
「満足しなさい」イコール「向上心を持ってはいけない」ではないのです。
「自分は足ると思っているので、これでいいんです」という人はただ向上心がないだけです。
本当の向上心は、満足しながらも、もっと上へと思えるのです。
「自分はもうこれでいいと思っています」とか「欲を出さないようにと思っています」と言うのは、向上心に対しての努力を怠っているのです。
「足るを知る」という表現の間違った解釈です。
向上心がなくなっている人はたくさんいます。
それを「欲張らない」とか「足るを知る」という大義名分で自己満足しているのです。
今が不満だから向上心を持つのではありません。
今の状態だから向上したいというのは、本当の向上心ではなく、ただのプアです。
向上心はハングリーです。
満足しながらも、さらに上へと考えることがハングリーです。
それがハングリーとプアとの違いです。
豊かになったからハングリー精神がなくなったと言うのは間違いです。
豊かになれば、たしかにプアはなくなります。
でも、豊かになればなるほど、人間はハングリー精神が生まれてくるのです。
上に行けば行くほど、戦いと修行があります。
豊かになったからハングリー精神がなくなったと考える人は、上に行ったら戦えないと思い込んでいます。
それは上に行っていない人の発想です。
上に行けば行くほど、より厳しい戦いがあるのです。
勉強すればするほど、勉強しなければならないことが増えてきます。
ある程度のところまで勉強したら、もうそれ以上勉強しなくてもいいという発想の人は、実は勉強していないし、プアな発想で向上心のなくなる人です。
習い事でも、どこまで行ったらOKということはありえないのです。