花粉症と操体

花粉症に操体は効くのでしょうか?

この季節になると聞かれる。昨日は定例講習で、その時東京操体フォーラム実行委員のMさんと話をしていた。「即効性があるわけではないが、確実に改善する」と言っていいであろうという結論である。

そういう私はここ数日、例年にない激しいクシャミとハナミズ、目がかゆいという花粉症である。講習の最中も一人クシャミを連発し、ハナをかんでいるのは私であった。こんなにすごいのは初めてのことだ。

そうしているうちに、実技となった。今日のお題は側臥位での上肢への動診・操法。橋本敬三先生の本には側臥位での操法は記載されていない。何故なら二者択一の動診をとらせていたからである。現在は二つの動きを比較対照するのではなく、「その動き自体にきもちよさがあるのか、ないのか」という問いかけ方も行っている(これを「一極微(いちごくみ)」と言っている)側臥位の場合、二者択一の動診をとおすには体勢上無理があるが、一極微の動診なら分析可能なのだ(一極微の分析ならば、どんなポジションでも動診を通せる)。

人数が偶数の場合、私は指導にまわるのだが、足りない場合は中にはいって実技をやる(これはこれで
勉強になる)。Mさんが私のクシャミハナミズを心配して後頭部と首の後ろを触診する。左のハナが「running」しているのだが、左後頭部、丁度ハナの裏あたりに押すと痛い、硬結がある。右側にはない。後頭骨のキワにもいやな硬結が触れる。

最初に私がモデルとなった。この時通した動診と操法を挙げてみると、
・手関節外旋・内旋(片側)
・両手関節外旋内旋
・両手合掌左右回旋
・手関節掌屈(片側)
・両手関節掌屈
・手関節の橈屈、尺屈(片側)
・手関節背屈(片側)
・手関節背屈(両側)
・上肢押し込み引き込み

などである。この中で特にきもちのよさをききわけられたのは、「両手関節の掌屈」だった。(他の動診でも結構ききわけられた)
終わってから後頭部にふれてみると、大分左右差がなくなってきていた。首にあった細長い硬結もだいぶ緩んでいた。

で、クシャミとハナミズも治まったのである。勿論操体を15分やっただけで、花粉症がすっかり(すっかりこれから絶対発症しない)治るというわけではないが、手関節から全身の連動を導き、快適感覚をききわけ、味わうというプロセスでからだが変化するのである。